看護技術を学ぶ立場

看護師が看護技術を学ぶ場所といえば、まずは看護学校です。近頃では専門学校よりも看護大学に人気が集まっているようですが、毎年多くの学生が看護師を目指しています。どちらで学ぶにしろ、学校で教わる技術や看護理論あくまでも基本です。そして実践的なスキルはその後正式な看護師として配属された先で先輩たちから教えられ身につけていく事になります。しかし、その先輩看護師たちからは最近の新人に対して戸惑う声が多く聞かれるようです。それというのも、近頃の若者は昔に比べて忍耐力や主体性が低く、依存的で指示待ち人間のようだと思われているからです。

確かに、先輩看護師たちが育った時代に比べて現代は便利なものも多く、若い人たちの気質や考え方が変わってきています。昔のものさしのままでは理解できない事も多く、先輩から悪い印象を持たれることも往々にしてあります。特に看護業界はその性質からか伝統的に「新人を厳しく教える」傾向が強く、かなりきつくしごかれて来たという話もよく耳にします。そのため、ついつい今の新人にも厳しく教えがちですが、それではいたずらに反発を招くだけで通用しない時代になってきています。下手に厳しくあたれば今の新人は割と簡単に辞めてしまう上に、人が足りないことから「新人をきつく叱らない」という方針を出している職場も多く、指導する側の先輩看護師としてはますます歯がゆい思いをしています。病院側も新しい看護師を集めたいので、若手が注目するような新しい制度を導入したりして策を練っているようですが、そのせいでまたベテラン看護師たちが振り回される結果になっている所もあるようです。

また、学校を出たばかりの新人だけでなく、転職した時にも看護技術を学び直すことがあります。看護師と言っても働く職場は様々で、その職場ごとに必要となる知識や技術は変わってきます。外科と内科では求められるスキルは違いますし、同じ内科でも職場によって仕事は違っていて看護師に求められる技術は様々です。看護師の転職は珍しくはなく、最近では潜在看護師の復職支援のための活動も活発に行われていますが、ブランクがあったり未経験の分野へ飛び込もうというのであればやはり不安がとつきまといます。全くの新人でないある程度の経験者なら職場でも即戦力として期待されてしまうので自分がちゃんとついていけるかは余計気にかかる部分です。今はインターネット上のサイトでも看護技術について紹介している所も多く、そういうツールを使った学び方もあります。看護技術は単純に技術的なものではなく、感覚的な所も大きいので簡単に身につけられるものではありません。看護技術の身につけ方は人それぞれですが、やはり地道に経験を積むことが一番の早道なのかもしれません。