「良い報せと悪い報せがある」と言われたら皆さんはどちらから聞くでしょうか。もちろんそんなものは人によりけり、また人によっても置かれている状況によってはどちらを選ぶか迷う人だっているでしょうからこの質問だけでは意味はないのかもしれません。ちなみに私は基本的に悪い報せから聞きたい派です。私はどうしても直近の出来事から大きな影響を受けてその時のテンションを変化させてしまうタイプなので、出来れば少しでも良い気分で報告を聞き終え、次の話題に向かいたいのです。
という話から展開していくのは、「看護の実務にあたっての悪い例」です。こういうことをしてはいけない、という実際の話ですが、単に反面教師とするのではなく、「こういうことは無意識にやってしまうから自分にこの仕事は向いていないかもしれない」という情報源になれば万々歳です。別に看護師の夢を破壊したいとか、無駄に現実を突きつけたいとかそういうお話ではありません。まだ私とて社会に適応していると言い張れるほど社会に関われているとは到底言えませんが、恐らく働くにあたっての最大の不幸は「事前に業界の良い点ばかり見ていて悪い点を全く知らなかったために幻滅し、辞めてしまう」ということだと思います。悪いところをある程度でも把握していないと、そのことを知ったときに想像以上のダメージを受けてしまいます。ショックが大きければ、後々考えてみると本当は大したことないじゃないか、という事でも平気で離職の理由になりえます。何かしらの職業を目指す時、人間はどうしても良い点ばかりが目につき、その他の細かい点(業界が巧妙に「細かく」している可能性ももちろんあります)は見逃しがちです。
仕事が大変で辛いものなのは当たり前、というのも一理ありますが、それがどう辛いのか、そしてどうすればその辛さを軽減できるか、あわよくば避けられるように考えたり、準備できるならしておきたいものです。新しい分野の看護師の求人を探す際は、現役で働いた方の本当の声を聞いたり調べたりしておくことをお勧めします。極端な話すべての方がそれをしっかりできれば無闇な就職も場当たり的な離職もなくなり、もしかしたら健全な業界が出来上がるかもしれません。
広告の影響力が大きい現代社会では綺麗なものばかりが目に入ってきて、それでいて、それを十分な情報だと錯覚しがちです。出来る限り見逃しがちな知っておくべき看護業界の実情を把握しておくことが大切ではないでしょうか。